― 国内で挑戦できる“プロの戦略”を個人でも ―
オプション取引と聞くと「難しそう」「リスクが高い」という印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際にはリスク管理のための“保険”として活用できる柔軟な金融手段でもあります。
この記事では、日本の証券会社で可能なオプション取引の種類や特徴、そして取引可能な主要証券会社を丁寧に解説いたします。
目次
🔹 オプション取引とは何か
オプション取引とは、「将来、特定の価格で資産を売買できる権利」を売買する取引のことです。
主に以下の2種類があります:
- コールオプション(Call):将来、一定の価格で買う権利
- プットオプション(Put):将来、一定の価格で売る権利
たとえば「日経平均を○月限、価格××円で買う(または売る)権利」を取引するイメージです。
株やETFとは異なり、価格変動に対してレバレッジ効果と時間的価値がある点が特徴です。
🔸 日本で取引できる主なオプションの種類
1. 日経225オプション(最もメジャー)
- 上場市場:大阪取引所(OSE)
- 対象指数:日経平均株価
- 取引単位:日経平均 × 1,000円
- 特徴:国内個人投資家にも最も馴染みがあり、流動性が高い。
- 目的:ヘッジや短期売買、ボラティリティ取引など幅広く活用可能。
2. ミニ日経225オプション
- 日経225オプションの1/10サイズ(取引単位:100円×指数)
- 少額で参加できるため、初心者に人気。
- SBI証券・楽天証券などで取扱いあり。
3. TOPIXオプション
- 対象:東証株価指数(TOPIX)
- 特徴:より“市場全体”に近い値動きを反映。
- 機関投資家に人気だが、個人でも取引可能。
4. ETFオプション(例:日経225ETFオプション)
- ETFを対象にした現物連動型のオプション。
- 「現物と同じ口座」でヘッジできる点が魅力。
- 日経225連動型ETF(1321など)に対応するものが中心。
🧭 日本の主要証券会社でのオプション取引対応一覧
| 証券会社 | 対応市場 | 取扱商品 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 大阪取引所 | 日経225・ミニ225・TOPIX | 取引画面が分かりやすく、手数料も低水準。初心者向けに解説資料が豊富。 |
| 楽天証券 | 大阪取引所 | 日経225・ミニ225 | スマホアプリ「iSPEED先物OP」でスムーズに取引可能。 |
| 松井証券 | 大阪取引所 | 日経225・ミニ225 | オプションシミュレーター機能があり、戦略検討に最適。 |
| 岡三オンライン | 大阪取引所 | 日経225・ミニ225 | 高速注文・板情報ツールが強力。中上級者向け。 |
| 野村證券 | 大阪取引所 | 日経225 | 対面サポート中心。プロフェッショナルな投資家向け。 |
⚙️ オプション取引でできる3つの代表的戦略
1. プロテクティブ・プット(保険型戦略)
現物株を保有しながら、下落リスクに備えてプットオプションを購入する方法。
→ 株価下落時の損失を限定できるため、長期投資家にも有効。
2. カバード・コール(プレミアム獲得型)
現物株を持ちながらコールオプションを売却し、プレミアム(オプション料)を得る戦略。
→ 横ばい相場で安定した収益を狙える。
3. ストラドル/ストラングル(ボラティリティ狙い)
コールとプットを同時に買う/売ることで、相場の“動きの大きさ”に賭ける戦略。
→ 大きな値動きが見込まれる局面に有効。
🏦 取引に必要な口座と資金
- 信用取引口座の開設が前提
- オプション専用審査(知識・経験の確認あり)
- 委託保証金:最低10万円〜数十万円(証券会社により異なる)
👉 少額で始めたい方は「ミニ日経225オプション」からスタートするのがおすすめです。
📊 実際の活用イメージ
| 状況 | 取引例 | 目的 |
|---|---|---|
| 株式市場が下落しそう | プットオプション購入 | 保有株の損失を抑制 |
| 株価が停滞している | カバード・コール | プレミアムで副収入 |
| ボラティリティ上昇局面 | ストラドル | 大きな値動きを狙う |
⚠️ リスクと注意点
- 時間的価値の減少(タイムディケイ)により、保有中に価値が減る。
- 売りポジションは無限損失リスクがあるため、必ずリスク管理を行う。
- 取引ルールは証券会社ごとに細部が異なるため、事前確認が重要。
💡 まとめ:オプション取引は“リスクヘッジと戦略投資”の両立が可能
オプションは単なる投機商品ではなく、相場リスクを柔軟にコントロールするツールです。
日本の証券会社では、すでに個人でもアクセスしやすい環境が整っています。
- 小口なら「ミニ225」
- 現物併用なら「カバード・コール」
- ボラティリティ重視なら「ストラドル」
まずはSBI証券や楽天証券のデモ環境でシミュレーションを行い、仕組みを理解するところから始めましょう。
オプションを知れば、市場の見方が一段と深くなります。
✳️ 次回予告:
「ミニ日経225オプションを使った低リスク戦略 ― 月1万円から始めるプレミアム収入術」