📌 試験の概要

  • 労働安全コンサルタントの口述試験は、筆記試験合格者に対して実施される最終試験であり、実務対応力・応答力・判断力を評価する重要な段階です。
  • 面接形式で実施され、主に労働安全衛生法令、現場対応、技術的判断、およびコンサルタントとしての姿勢に関する質問が中心です。
  • 試験時間は概ね15〜20分程度で、3名ほどの試験官が順番に質問を行います。

🎯 出題傾向と構成

  • 質問内容は大きく分けて以下の4分野に整理できます。
  1. 労働安全衛生法令の理解
     労働安全衛生法の目的・適用範囲・義務主体(事業者、管理者、労働者)について問われることが多く、特に条文暗記よりも「趣旨と適用の理解」が重要視されます。
  2. 現場の安全管理・災害防止
     建設現場・製造現場・化学プラントなどを題材に、「どのような危険があるか」「どのような安全対策を取るか」を問う実務的な内容が多いです。
     たとえば「高所作業中の墜落災害防止策を説明してください」といった、リスクアセスメント思考の質問が頻出します。
  3. 安全衛生活動・管理体制
     安全衛生管理体制、教育・訓練、ヒヤリハット活動、再発防止策など、組織的安全管理の視点を問われます。
     単なる手法説明ではなく、「改善プロセスをどう導くか」というコンサルタント的な姿勢が評価されます。
  4. コンサルタントとしての倫理・姿勢
     「事業者と労働者双方にどう助言するか」「守秘義務や独立性をどう考えるか」など、専門職としての倫理観・社会的責任が問われます。

🗣️ 模範的な応答の構え方

  • 「結論 → 理由 → 具体例」の順に話すと、論理的で伝わりやすくなります。
  • 例:「安全帯を使用する必要があります。なぜなら墜落リスクが高く、法令で義務づけられているためです。具体的には、高所作業時にはフルハーネス型を使用し、アンカー位置を確実に取付けます。」
  • 「〜と考えます」「〜が望ましいです」といった柔らかい表現で締めると好印象です。

🧩 想定質問例と回答ポイント

  1. 「リスクアセスメントの基本的な手順を説明してください」
     → 危険源の特定 → リスクの見積り → 優先度付け → 対策実施 → 継続的改善、の5ステップを明確に述べます。
  2. 「労働災害が発生した場合の初動対応は?」
     → ①負傷者の救護、②二次災害防止、③原因調査、④報告義務(労基署・社内)を順に説明します。
  3. 「安全管理者と衛生管理者の違いを説明してください」
     → 安全管理者は主に機械・設備・作業方法の安全を、衛生管理者は作業環境・健康管理を担当します。
  4. 「コンサルタントとしての役割とは?」
     → 客観的な立場から法令遵守と安全意識を両立させ、現場改善を通じて安全文化を定着させることです。

💡 試験官の評価ポイント

  • 法令知識よりも「現場感覚」と「実務判断力」が重視されます。
  • 緊張して沈黙するよりも、「考えを整理してお答えします」と前置きしてから話す方が好印象です。
  • 姿勢・服装・声のトーンなども評価対象。「専門家としての落ち着き」が鍵です。

📖 効果的な勉強法と準備

  • 過去の体験記を複数参照して、質問傾向を分析する。
  • 模擬面接練習を最低3回以上行い、口頭で答える訓練を積む。
  • 法令条文を音読し、趣旨を自分の言葉で言い換える練習を行う。
  • 災害事例集(厚労省HPなど)を読み、原因と対策を口頭で説明できるようにする。

🌸 最後に:合格のための心構え

  • 口述試験は「暗記試験」ではなく「会話形式の実務試験」です。
  • 「安全文化を支える専門家」としての誠実さ・客観性を意識することで、自信を持って答えられます。
  • 試験官も基本的には味方です。穏やかな表情と落ち着いた話し方が最良の武器になります。

✅ まとめチェックリスト

確認項目状況
法令の趣旨を説明できる
災害時の初動対応を明確に言える
コンサルタントの倫理観を理解している
模擬面接を複数回練習した
当日の服装・礼節を整えている