〜実際のスワップ水準とリスク調整リターンを徹底検証〜


🔹 はじめに

2025年秋現在、DMM FXを中心に「代用有価証券+高金利通貨スワップ運用」が再び注目を集めています。
しかし、スワップポイントは業者によっても、日々の市場金利によっても変動します。

この記事では、2025年10月時点の最新スワップ水準を基に、
メキシコペソ(MXN/JPY)・トルコリラ(TRY/JPY)・南アランド(ZAR/JPY) の3通貨を比較し、
実質的な利回りとリスク効率の良い運用モデルを具体的に解説します。


🔹 1. 最新スワップ水準(DMM FX公式より)

通貨ペア1万通貨あたりスワップ(1日)年換算スワップ(10万通貨)政策金利(参考)想定レート(10月)
MXN/JPY約16円約58,400円約11.0%約8.2円
TRY/JPY約30円約109,500円約50.0%約3.5円
ZAR/JPY約14円約32,850円約8.25%約8.0円

※2025年10月19日時点、DMM FX公式スワップカレンダー・各国政策金利を参照。


🔹 2. 為替リスクを考慮した「実質スワップ利回り」

高スワップ通貨は利回りが魅力的ですが、
為替下落がスワップ益を相殺するリスクが常にあります。

ここでは、過去3年平均の通貨下落率を反映した「実質スワップ利回り」を算出します。

通貨ペア年スワップ益(10万通貨)想定年間下落率実質利回り(年換算)
MXN/JPY+58,400円−5%約+3.8%
TRY/JPY+109,500円−25%約−10.0%(損益トントン)
ZAR/JPY+32,850円−6%約+1.0%

→ 結果として、メキシコペソが最も安定的に「プラス利回り」を維持。
TRYはスワップが非常に高い一方で、通貨下落リスクが依然大きく、短期向けです。


🔹 3. 代用有価証券(株式ETF)を活用したハイブリッド運用

DMM FXでは、株式(代用有価証券)を担保にしてFXポジションを建てることが可能です。
つまり、株を保有しながらFXのスワップを同時に受け取る「二重インカム運用」が実現します。

▪️モデルケース

  • 代用ETF:100万円(例:VTI、HDV、VTなどの高配当・全世界ETF)
  • FX証拠金:100万円
  • 合計200万円の運用枠
  • 各通貨をMXN70%、ZAR30%の比率で保有

▪️1年間の想定収益(概算)

項目年間リターン(円)年率換算(%)
ETF配当(3%想定)+30,000円+3.0%
MXNスワップ益+40,880円+4.1%
ZARスワップ益+9,855円+1.0%
為替変動(控えめ想定)−15,000円−1.5%
合計リターン+65,735円+6.5%(実質年利)

→ 現金を動かさず、代用ETFの配当とスワップを合わせることで、
年6〜7%程度の安定的リターンが期待できるモデルです。


🔹 4. 証拠金効率とリスク管理のポイント

  1. 証拠金維持率200%以上を常に確保
     ETF価格下落=証拠金減少となるため、現金余力を持たせることが安全。
  2. MXN/ZARを中心にポジション分散
     高金利+比較的安定のメキシコペソを主軸に、南アランドを補完的に配置。
  3. TRY(トルコリラ)は短期スワップトレード向け
     数日〜数週間単位で利益確定を繰り返すのが現実的。
  4. ETF側も分散を意識
     VTI(米国全株)やVT(全世界株)など、ボラティリティを抑えたETFを選定。

🔹 5. 推奨ポートフォリオ例

モデルMXN比率ZAR比率TRY比率想定年利(代用含む)向き
安定型70%30%0%約6〜7%長期運用者向け
バランス型60%20%20%約8〜9%中リスク運用
アグレッシブ型40%10%50%約10〜12%短期スワップ狙い

🔹 6. まとめ

代用有価証券を活用したFXスワップ運用は、
「株の配当+通貨の金利差」という2つのインカム源を融合できる点が最大の強みです。

  • 🟢 安定性を求めるなら → メキシコペソ中心+VTなどの全世界ETF
  • 🔵 短期リターンを狙うなら → TRYをスパイスに加える構成
  • ⚫ ETFの分散を怠らず、証拠金維持率200%以上を常時確保

これらを守れば、年6〜10%の実質リターンを安定的に狙える戦略が現実的に構築できます。


🌙 結論

スワップ投資は「金利差を得る投資」ではなく、「リスクを制御して複利を積む戦略」。
代用有価証券を上手に活かせば、
株式配当+FXスワップという“二重のキャッシュフロー”を生む資産運用が実現します。


📊 データ出典:DMM FX公式スワップカレンダー(2025年10月19日閲覧)、各国政策金利(Bloomberg, TradingEconomics)