※本記事は教育・学習を目的とした占星術の入門解説です。科学的な未来予測ではなく、人生や人間関係を振り返るための思索ツールとしてご利用ください。最終的な判断は必ずご自身の責任にてお願いいたします。


🌟 はじめに ― プログレスで見る長期的な関係の流れ

前回(第14回)では、トランジットを用いた相性イベント予測 を紹介しました。
トランジットは短期的・現実的な出来事や心理変化を読み解くのに有効です。

今回のテーマは プログレス

  • トランジットが「今・目の前の出来事」を読むのに対し、
  • プログレスは「関係の長期的成長・成熟のプロセス」を読み解く道具です。

これにより、二人の関係が心理的にどのように発展していくか、長期的な課題や学びを理解できます。


🔹 第1章:プログレスとは?

1-1. 定義

プログレスとは、出生チャートの天体を「1日=1年」の法則で進めたチャートを指します。
例:1990年4月1日生まれ → 生後1日は、1年目の進行として計算されます。

  • 二重プログレス(内的成長用)
  • 内面的な変化、心理的成熟を示す
  • 外的イベントプログレス(トランジットと組み合わせる)
  • 現実での関係や出来事に影響

1-2. プログレスの主な用途

  • 個人の心理的成熟を追跡
  • 二人の関係性の成長や変化を追跡
  • コンポジット/ダヴィソンと組み合わせて長期予測

🔹 第2章:プログレスの計算とチャート作成

2-1. 基本ルール

  • 日進法:出生後の1日=1年
  • 主要天体(太陽・月・水星・金星・火星)の進行を計算
  • アセンダント・MCも進行させることで、心理的テーマや人生テーマの変化を読む

2-2. 実際の作成方法

  1. 出生日時を確認
  2. 1日=1年の法則で天体位置を計算
  3. コンポジットチャートやダヴィソンチャートと同様にアスペクトを確認

🔹 第3章:コンポジット+プログレスの応用

3-1. 心理的テーマの成長

  • コンポジットチャートは関係の心理テーマを象徴
  • プログレスで天体が動くと、心理的テーマも進化
  • 太陽プログレス → 関係の方向性や共同目標の成熟
  • 月プログレス → 感情の深まり、安定感の変化
  • 金星プログレス → 愛情表現の成熟
  • 火星プログレス → 行動力や情熱の変化

3-2. 例:仮想カップルA&B

  • コンポジット太陽:獅子座 → 創造性・自己表現
  • プログレス太陽が次第に乙女座へ → 関係に協力・実務的要素が加わる
  • 月プログレス:蠍座 → 感情の深まり・信頼形成

3-3. 読み取り方

  • 「心理的な課題や成長の時期」を把握
  • 「関係の成熟段階」と「短期的トランジットの影響」を組み合わせる

🔹 第4章:ダヴィソン+プログレスの応用

4-1. 現実的イベントの成長予測

  • ダヴィソンチャートは関係の「現実誕生」を象徴
  • プログレスで時間を進めると、結婚・出会い・共同事業などの長期的イベントを追跡できる

4-2. 例

  • ダヴィソン太陽プログレスが7ハウスに入る → 結婚やパートナーシップの強化
  • 月プログレスが4ハウスに入る → 家庭環境や共同生活の成熟

4-3. 読み取り方

  • 長期的に「関係に責任や安定をもたらす」時期
  • 心理的テーマ(コンポジット)とのシナジーで、成長の課題を理解

🔹 第5章:トランジット+プログレスの組み合わせ

  • トランジット:短期的な出来事や心理の変化
  • プログレス:長期的な成長プロセス
  • 両方を組み合わせると、短期的事件と長期的成熟の関係 を読み解くことが可能

5-1. 実例

  • プログレス金星がコンポジット月に合 → 心理的感情の成熟
  • 同時期、トランジット土星がダヴィソン4ハウスに合 → 家庭の課題が現実に表面化
  • 解釈:心理的には成熟しているが、現実的には試練がある時期

🔹 第6章:応用ステップ

  1. 個人ホロスコープ → コンポジット → ダヴィソン
  2. プログレスチャートを作成
  3. 重要アスペクト(太陽・月・金星・火星・土星・木星)を確認
  4. トランジットと組み合わせて、短期・長期の変化を読み取る

🔹 第7章:複数事例分析(仮想カップル)

7-1. 恋愛カップル

  • コンポジット心理テーマ:自己表現・創造性
  • プログレス太陽が乙女座に入る → 協力・整理・実務が加わる
  • トランジット木星 → 恋愛の進展や祝福

7-2. 仕事パートナー

  • ダヴィソン7ハウスプログレス → プロジェクト進行・契約締結の成熟
  • 月プログレス → 協働関係の心理的安定

7-3. 読み取りポイント

  • プログレスは関係の成長段階の目安
  • トランジットは現実的出来事のタイミング
  • 両方を統合して読むことで「心理と現実のギャップ」を理解できる

🌟 第8章:まとめ

  • プログレスは長期的成長・成熟を見る手法
  • コンポジット+プログレス → 心理的テーマの成長
  • ダヴィソン+プログレス → 現実的イベントの成熟
  • トランジットと組み合わせることで、短期的事件と長期的成長を立体的に把握可能
  • 関係を深く理解し、心理・現実の両面で成長を促すヒントに活用できる

次回(第16回)は、コンポジット・ダヴィソン・プログレス・トランジットを組み合わせた総合リーディング実践編 に進みます。