精油の中でも、花系・柑橘系精油はリラックスや美容、気分の安定などに広く活用されます。今回取り上げるのは「カモミール」「オレンジ」「ベルガモット」の3種類です。日常生活での活用法や化学成分、試験で問われやすいポイントまで詳しく解説します。


1. カモミール精油(ローマンカモミール/German Chamomile)

1-1. 植物と抽出部位

  • カモミールはキク科のハーブで、花から精油を抽出
  • 主に水蒸気蒸留法で取得
  • ローマンカモミールは青色の香り成分を持ち、リラックス効果が高い

1-2. 主な化学成分

  • カマズレン:抗炎症作用、皮膚刺激緩和
  • α-ビサボロール:抗炎症、鎮静作用
  • フラボノイド類:抗酸化作用

1-3. 効能

  • 不安やストレスの軽減
  • 睡眠の質向上(入眠促進、安眠効果)
  • 皮膚炎やかゆみの緩和
  • 消化促進や月経痛の軽減

1-4. 使用法

  • 芳香浴:ディフューザーで寝室やリラックス空間に香りを拡散
  • マッサージ:キャリアオイルに希釈して肩や背中に塗布
  • スキンケア:クリームやローションに数滴加えて炎症や赤みの軽減
  • 入浴:お湯に希釈して心身リラックス

1-5. 注意点

  • 稀にアレルギー反応があるため、パッチテスト推奨
  • 妊娠初期や授乳中は使用を控えることが望ましい
  • 高濃度での直接塗布は避ける

1-6. コラム

カモミール精油は「花系精油の鎮静・抗炎症の代表」と覚えると試験でも活用しやすく、夜のリラックスタイムに取り入れると日常生活でも役立ちます。


2. オレンジ精油(スイートオレンジ/Citrus sinensis)

2-1. 植物と抽出部位

  • オレンジ果皮から圧搾法で抽出
  • 柑橘系の中でも香りが甘く、明るく元気な印象を与える

2-2. 主な化学成分

  • リモネン:気分をリフレッシュ、抗酸化作用
  • ミルセン、カリオフィレン:リラックス効果や抗炎症作用
  • ビタミンCなどを含む果皮由来の成分

2-3. 効能

  • 気分の落ち込みや不安の緩和
  • 消化促進や食欲改善
  • 皮膚の保湿や弾力サポート
  • 空間の香り付けでリフレッシュ効果

2-4. 使用法

  • 芳香浴:ディフューザーでリビングやオフィスに香りを拡散
  • マッサージ:キャリアオイルで希釈して疲労回復やリラックス
  • スキンケア:クリームやオイルに数滴加えて保湿や香りづけ
  • 掃除や消臭:水に希釈して空間スプレーとして使用

2-5. 注意点

  • 光感作性があるため、肌に塗布後は直射日光を避ける
  • 原液使用は避け、必ず希釈
  • 小児や敏感肌の方は少量から使用

2-6. コラム

オレンジ精油は「明るく元気にする柑橘系」として覚えると、試験でも日常でも活用しやすく、リフレッシュタイムにぴったりです。


3. ベルガモット精油(Citrus bergamia)

3-1. 植物と抽出部位

  • ベルガモット果皮から圧搾法または水蒸気蒸留法で抽出
  • 香りはフローラルで柑橘系の爽やかさを持つ

3-2. 主な化学成分

  • リナロール:鎮静作用、リラックス効果
  • リモネン:抗菌・抗酸化作用
  • ベルガプテン:香りの安定や光感作性を持つ成分(注意が必要)

3-3. 効能

  • ストレス軽減、リラックス効果
  • 気分の沈みや不安の緩和
  • 肌の調整(脂性肌、乾燥肌双方に対応可能)
  • 空間の香りでリフレッシュ・集中力向上

3-4. 使用法

  • 芳香浴:ディフューザーや加湿器で香りを拡散
  • スキンケア:キャリアオイルで希釈してマッサージや保湿
  • 入浴:お湯に数滴加えてリラックス
  • 掃除・空間消臭:抗菌スプレーとして希釈使用可能

3-5. 注意点

  • 光感作性があるため、肌塗布後は日光に当てない
  • 原液使用は避け、必ず希釈
  • 妊娠中や敏感肌の方は少量使用

3-6. コラム

ベルガモットは「柑橘系で鎮静・気分リフレッシュ」の特徴を覚えると、試験でも日常でも役立ちます。特にストレスや緊張が多いシーンにおすすめです。


4. 試験対策のまとめ

花系・柑橘系精油は、作用・使用法・注意点をセットで覚えることが重要です。

精油主な作用使用法注意点
カモミール鎮静・抗炎症芳香浴、マッサージ、スキンケア高濃度注意、妊娠初期注意
オレンジリフレッシュ、抗不安芳香浴、マッサージ、スキンケア光感作注意、原液禁止
ベルガモット鎮静・リフレッシュ芳香浴、スキンケア、入浴光感作注意、原液禁止

化学成分と効能の関連を覚えると、試験問題の応用力も高まります。例:リナロール=鎮静、リモネン=リフレッシュ・抗菌


5. 日常活用例

  1. 夜のリラックスタイム:カモミールで芳香浴
  2. 気分を切り替えたい朝:オレンジ精油でディフューザー
  3. ストレス軽減・集中力向上:ベルガモットでスキンケアや芳香浴
  4. 肌のトラブルや乾燥対策:カモミールやベルガモットをクリームに数滴
  5. 空間の浄化・消臭:オレンジやベルガモットを水に希釈してスプレー

6. 精油活用のコツ

  • 原液を直接肌に塗らない
  • キャリアオイルで希釈(5~10%)
  • 光感作性や敏感肌への注意
  • 使用部位・対象によって濃度調整
  • 保存は直射日光を避けて冷暗所で

7. 次回予告

第7回では、スパイス系・樹脂系精油(シナモン、クローブ、フランキンセンスなど)を取り上げます。

  • 体を温める作用や抗菌作用
  • 精神集中や瞑想への活用法
  • 試験で問われやすい効能と使用法を整理