こんにちは。第3回目は、銀投資を始めた方が「実際に毎月少額で積立を行う場合」をシミュレーションし、価格変動リスクを抑えながら資産を増やす方法について詳しく解説します。
前回のゴールドシルバー比率を踏まえ、比率が高い局面では積立を増やす、低い局面では継続か売却検討、といった戦略と組み合わせることで、より安全で効率的な投資が可能になります。
目次
ドルコスト平均法とは?
- ドルコスト平均法(Dollar-Cost Averaging)は、毎月一定額を購入することで、銀価格の高低にかかわらず平均取得価格を平準化する投資手法です。
- 高値では少量、安値では多めに購入することになるため、結果的に購入単価が安定し、短期的な価格変動による損失リスクを抑える効果があります。
- 銀は金に比べて値動きが大きく、短期で上下することが多いため、ドルコスト平均法の適用により、心理的な負担を軽減しながら長期保有を続けることが可能です。
過去データを用いたシミュレーション例
前提条件
- 毎月1万円ずつ銀ETF(例:1540)または現物を購入
- 過去10年間の銀価格データを参考
- 為替変動は考慮せず、日本円ベースで計算
シナリオ1:価格上昇局面
- 初年度は銀価格が低水準(比率80以上)
- 高値局面では購入量は少なくなるが、低価格時に多めに購入することで、平均取得価格は相対的に下がる
- 10年間で積立総額120万円に対し、評価額は約150万円〜160万円となり、価格変動による利益を享受可能
シナリオ2:価格低迷局面
- 初年度から銀価格が低迷(比率高め)
- 毎月一定額購入を継続することで、取得単価が平均化され、将来的な価格上昇局面で利益が得やすい
- 10年間の積立総額120万円に対し、評価額は130万円〜140万円程度を想定
シナリオ3:比率変動に応じた調整型
- 比率が80以上の割安局面では積立額を1.5倍に増額
- 比率が50〜70の中間局面では通常通り積立
- 比率が40以下の割高局面では積立を減額または停止
- この調整型シナリオでは、リスクを抑えつつリターン効率を高めることが可能で、最終的な評価額は160万円以上になるケースもある
現物+ETF併用シミュレーション
- 現物:毎月5,000円分を購入し、安全資産として長期保有
- ETF:毎月5,000円分を購入し、流動性を確保
- 現物は価格変動を受けにくく、ETFは短期売買や急な価格上昇時に利益確定可能
- この組み合わせにより、価格変動リスクと流動性の両方をバランスよく確保できる
積立投資のメリット
- 毎月一定額を購入するため、購入タイミングに悩む必要がなくなる
- 価格変動リスクを平準化でき、心理的なストレスを軽減できる
- 少額から始められるため、投資初心者でも安心して継続可能
- 長期保有により、過去データ上では平均取得価格が市場価格に近づき、将来的な利益機会を最大化できる
注意点
- ドルコスト平均法は価格が長期的に下落し続ける場合の損失を防ぐものではない
- 現物購入の場合は保管コストや盗難リスクを考慮する必要がある
- ETF購入の場合は為替リスクや信託報酬などのコストも考慮すべき
- 投資額の設定は生活費やリスク許容度に応じて、無理のない範囲で行うことが重要
まとめ
- ドルコスト平均法を活用することで、銀価格の変動リスクを抑えつつ、長期的な資産形成が可能
- 比率80以上の割安局面では積立額を増やす、40以下の割高局面では積立を調整することで、リターン効率を高めることができる
- 現物とETFを組み合わせることで、流動性と安全性を両立させ、心理的負担を軽減した安定的な投資戦略が構築可能
次回は、第4回として 「銀投資のリスク管理とポートフォリオ戦略」 に進み、より総合的に資産運用を考える内容に展開します。