目次
はじめに
クレジットカード積立(通称「クレカ積立」)は、毎月自動的に投資信託などを購入できる仕組みで、銀行口座からの引き落としではなく、クレジットカードを通じて支払いができるため、忙しい初心者でも簡単に資産形成を始められる手軽な方法です。2024年3月の制度改正により、これまで月5万円が上限だった積立可能額は 月10万円まで 引き上げられ、より短期間で効率的に資産を増やせるようになりました。また、ポイント還元やNISAとの併用も可能で、長期的な資産形成を有利に進められるようになっています。
クレジットカード積立とは何か?
- 毎月自動で投資信託を購入できる仕組み
クレジットカードを証券口座に登録することで、銀行口座からの引き落としではなくカード決済で自動的に投資信託を購入できるため、購入のタイミングを考えたり、口座残高を確認したりする手間が省け、投資初心者でも気軽に積立を始めることができます。 - ポイント還元で実質的な投資額を増やせる
クレジットカードで積立を行うと、購入金額に応じてカード会社からポイントが付与されます。たとえば月5万円積み立て、還元率1%なら500円分のポイントがもらえ、年間で6,000円、10年間なら6万円相当のポイントが追加で資産になる計算です。ポイントを再投資に回すことで、複利の効果をさらに高めることができます。 - ドル・コスト平均法による価格変動リスクの平準化
毎月同額を積立することで、価格が高い月も低い月も一定額購入でき、購入単価を平均化できます。これにより、高値で一度に購入してしまうリスクを避けられ、初心者でも長期的に安定した資産形成が可能になります。
クレジットカード積立のメリット
- 自動化で投資の習慣化が容易になる
設定した積立金額が毎月自動で引き落とされ購入されるため、「購入を忘れる」「相場の動きに迷う」といった初心者特有の悩みを解消できます。これにより、忙しい日常の中でも無理なく投資を継続でき、長期的な資産形成の習慣を身につけることができます。 - 貯まったカードポイントを再投資に活用できる
一部の証券会社では、貯まったポイントをそのまま投資信託の購入に利用できるため、現金を使わずに積立を継続することができます。この方法を使うことで、ポイントを資産として運用でき、複利効果を最大化しながら無理なく資産形成を加速できます。 - NISAや新NISAの非課税制度と併用できる
新NISAのつみたて投資枠を活用すれば、購入した投資信託の運用益や分配金が非課税となり、税金の負担を減らしつつクレジットカード積立でポイント還元も受けられるため、少額からでも効率的に資産を増やすことが可能です。 - 制度改正で月10万円まで積立可能になり効率が向上
従来は月5万円が上限でしたが、2024年3月の制度改正により多くの証券会社で月10万円まで積立可能になりました。これにより、毎月の積立額を増やして短期間で資産を形成することが現実的になり、老後資金や教育資金の準備を早めに始めることができます。
注意すべきデメリット・ポイント
- 証券会社やクレジットカードによって条件が異なる
積立可能額やポイント還元率は証券会社やカード会社によって異なるため、口座開設前や設定前に必ず最新情報を確認し、自分の状況に合ったサービスを選ぶことが重要です。 - クレジットカードの利用限度額を超えないよう注意
月10万円まで積立可能といっても、カードの利用可能額が不足している場合は決済が失敗するため、設定前にカード限度額や他の支払い状況を確認して、毎月確実に積立できるようにしておくことが大切です。 - ポイント還元率は変更される可能性がある
キャンペーン期間や制度変更により、ポイント還元率が将来的に変わる場合があります。最新情報をこまめにチェックして、最もお得に積立ができるカードを選ぶことが、長期的に効率的に資産形成するコツです。
実際の毎月の積立例(シミュレーション)
- 月3万円積立の場合
投資信託の平均利回りを年5%と仮定すると、10年間で約450万円を積み立て、運用益を加えると約520万円の資産形成が期待できます。さらにクレジットカードのポイント還元1%を加えると、10年間で約3.6万円分のポイントが資産として上乗せされます。 - 月5万円積立の場合
同じく年5%の運用益を想定すると、10年間で積立元本は600万円、運用益を加えると約700万円の資産形成が可能です。カードポイント還元1%を加えると、約6万円分の資産がさらに増えます。 - 月10万円積立の場合
最大上限を活用すると、10年間で元本は1,200万円、運用益を加えると約1,400万円に達します。1%還元のポイントを加えると、10年間で約12万円の資産をさらに上乗せでき、効率的に資産形成ができます。
主な証券会社とクレジットカード積立の特徴
証券会社・カード | 月の上限額 | ポイント還元 | 特徴 |
---|---|---|---|
SBI証券 × 三井住友カード | 10万円 | 最大5% | カードランクによって還元率が変動し、貯まったポイントを再投資に活用できるため、効率的に長期資産を形成可能です。 |
楽天証券 × 楽天カード | 10万円 | 1% | 楽天経済圏と連携することで、楽天ポイントを買い物や積立に使えて、生活と投資を同時に活用できます。 |
auカブコム証券 × au PAYカード | 10万円 | 1% | Pontaポイントが貯まり、auサービスとの連携でさらにポイントを増やすことが可能で、投資のハードルを下げられます。 |
マネックス証券 × マネックスカード | 10万円 | 1.1% | 投資信託のラインナップが豊富で、分散投資やテーマ型投資など自分に合った投資スタイルで積立を進めることができます。 |
クレジットカード積立の始め方(初心者向け)
- 証券口座を開設する
クレジットカード積立に対応した証券会社を選び、口座開設の手続きを行います。身分証明書や必要書類を提出し、審査を通過して口座を利用可能にします。 - 積立に使うクレジットカードを登録する
証券会社が指定するカードを準備し、口座に登録します。カードの有効期限や利用限度額も確認して、毎月確実に積立が行える状態にします。 - 積立設定を行う
毎月の積立金額や積立日を設定します。初心者はまず少額から始め、生活費とのバランスを確認しながら徐々に増額することをおすすめします。 - 自動積立開始
設定完了後、毎月自動的に投資信託が購入されます。購入履歴や積立額は証券口座で確認可能で、必要に応じて積立額の変更や停止も簡単に行えます。
まとめ
クレジットカード積立は、初心者でも手軽に始められ、長期的に効率的な資産形成を可能にする強力な手段です。月10万円まで積立可能になったことで、より大きな資産を短期間で形成することができ、ポイント還元やNISAとの併用によって、無理なく毎月コツコツ積み立てることで、将来的に安定した資産を築くことが可能です。実際の積立例を参考に、自分の生活スタイルや目標に合わせて積立計画を立てることが成功への近道となります。