目次
はじめに
おはようございます。
今日は投資テーマとして「金(ゴールド)」を取り上げます。
株式や債券と違い、金は配当も利息も生みませんが、それでも世界中の投資家にとって欠かせない存在です。特に2025年の現在、インフレ・円安・米国金利政策といった要因が複雑に絡み合い、金への注目度が一段と高まっています。
本記事では、
- 金価格の最新動向
- 金の役割(なぜ投資対象になるのか)
- 現物と金ETFの徹底比較
- 投資家タイプ別の実践的戦略
を整理していきます。
金価格の最新動向【2025年版】
米国金利の動向と金価格
2025年に入ってから金価格はドル建てで高止まりを続けています。FRBが利下げに動くのではないかという観測が強まり、金利を生まない資産である金に資金が流れやすい環境が整っています。
円安効果で日本の金価格は史上最高に
世界的にはドル安傾向が見えますが、日本国内では円安が進行。結果として円建ての金価格は史上最高値を更新しています。
地政学リスクの高まり
中東や東欧の不安定な情勢が続き、安全資産として金が選ばれる場面が増えています。
👉 日本の投資家にとっては「ドル建て価格が横ばいでも円建てでは上昇」という特有のメリットが出ている状況です。
金投資の役割とは?
インフレヘッジ
通貨の価値が下がっても、金は長期的に価値を維持しやすい特徴があります。
安全資産
金融危機や戦争など、いわゆる「有事」において資産を守る役割を果たします。
分散効果
株式・債券と相関が低く、ポートフォリオ全体のリスクを下げてくれます。
通貨リスク回避
円安が進むと、円建ての金価格は上昇する傾向があるため、為替リスクの緩和にも役立ちます。
現物と金ETFの徹底比較
現物(金地金・金貨)の特徴
- 実物が手元にある安心感
- 金融システムに依存せず有事に強い
- ただしスプレッド(売買コスト)が大きく、保管リスクがある
金ETFの特徴
- 株式市場で即時売買できる高い流動性
- 数千円から投資可能で、NISA対応も可能
- 信託報酬がかかり、実物を持てないというデメリットもある
比較表
観点 | 現物(金地金・金貨) | 金ETF |
---|---|---|
所有形態 | 実物を保有 | 証券口座で数字上の資産 |
流動性 | 低め(業者に売却) | 高い(市場で即売買) |
コスト | スプレッド数%、保管料 | 信託報酬0.3〜0.5% |
安全性 | 盗難・火災リスクあり | 金融市場依存 |
投資額 | 数十万円〜 | 数千円〜可能 |
向く人 | 長期保有、有事対策 | 短中期投資、積立投資 |
投資家タイプ別の実践戦略
短期〜中期運用を重視する人
- 金ETFを中心に活用
- 例:NISAで【1540 純金信託】を毎月積立
- 市場の動きに合わせて柔軟に売買できる
長期的に資産防衛を重視する人
- 現物(金貨や小口地金)を少しずつ購入
- 信託報酬がかからず、非常時の保険として機能
両方を組み合わせたい人
- 金をポートフォリオ全体の5〜10%に配分
- 内訳は「ETF 70%:現物 30%」がバランス良し
- 普段はETFで積立、有事対策として現物を確保
実際のアクションプラン
- 毎月の積立
NISA口座で金ETFをコツコツ買い続ける。 - 年1回の現物購入
ボーナス時に金貨や地金を購入して手元に保有。 - ポートフォリオのチェック
株・債券と合わせて、金の比率が5〜10%の範囲に収まるように調整。
まとめ
- 金は「資産を守るための投資」
- 円安により日本では史上最高値を更新中
- 投資手段は現物とETF、それぞれにメリット・デメリットがある
- 実践的には「ETFで流動性+現物で有事対策」のハイブリッド戦略がおすすめ
派手な値上がり益を狙う資産ではありませんが、金は資産全体の安定性を高める重要な要素です。
「資産を増やす投資」と同時に「資産を守る投資」も考える時代、金の役割を意識してポートフォリオに組み込んでみてください。