はじめに
投資の世界では「海外株」「米国株ETF」「全世界株インデックス」が近年の主流となっています。
一方で、日本株に投資する投資信託(日本株投信)は「成長力が弱い」「人口減少で将来性がない」といったイメージを持たれ、やや敬遠されがちです。
しかし実際には、日本株投信にはまだまだ大きな魅力が眠っています。特に 配当重視型投信 や 高ROE企業投信、さらには「日経平均連動」ではない テーマ型・アクティブ型投信 には、安定収入と成長の両立を狙えるポテンシャルがあります。
本記事では、日本株投信の特徴と魅力を整理しながら、「なぜ今あえて日本株なのか?」を分かりやすく解説していきます。
1. 日本株投信の基本構造
日本株投信とは、日本国内に上場している企業の株式を投資対象とした投資信託のことです。
代表的なものは以下の3タイプです。
- インデックス型投信
- 日経平均株価やTOPIXに連動する投信
- 手数料が低く、長期投資向き
- アクティブ型投信
- ファンドマネージャーが銘柄を選定
- 高配当株・成長株・テーマ株などに集中投資するケースが多い
- バランス型投信(日本株+債券など)
- 株式だけでなく債券やREITも組み合わせ
- リスクを抑えつつ日本株のリターンを取り入れる
2. 日経平均連動型投信の限界
日本株投信といえば「日経平均連動型」を思い浮かべる方が多いでしょう。
確かに低コストで広く分散できますが、以下のような弱点もあります。
- ファーストリテイリングやソフトバンクGなど、一部の大型株に依存しやすい
- 高配当株が少なく、配当利回りの魅力が弱い
- 景気敏感株比率が高く、相場の波を受けやすい
そのため、近年は「日経平均ではなく、特色あるアクティブ型投信を選ぶ」という投資家が増えています。
3. 高配当株投信の魅力
高配当株に投資する日本株投信は、近年人気を集めています。
特徴
- 日本企業は内部留保を抱えており、近年は 株主還元姿勢が強化
- 配当利回り3〜5%の企業が増加
- 米国株よりも為替リスクが小さい
代表的な投信例
- 「ニッセイ高配当株ファンド」
- 「大和住銀 日本株高配当40」
- 「三井住友・日本株高配当インデックス」
これらは「配当金を再投資するか、分配金として受け取るか」を選べる仕組みが多く、インカムゲイン狙いの投資家には特に向いています。
4. 高ROE企業投信:日本株の成長力を狙う
近年、政府や東証が推進しているのが「資本効率の改善」です。
その指標の代表が ROE(自己資本利益率)。
ROEが高い企業は、株主資本を効率よく活用して利益を上げているため、成長力が高いと評価されます。
高ROE企業投信の特徴
- 株価上昇と配当の両方を狙える
- PBR改善圧力が強まる今、注目度が急上昇
- 長期的には「日経平均を上回る」可能性がある
5. テーマ型・アクティブ型日本株投信
さらに、近年注目されているのが テーマ型日本株投信。
これは「脱炭素」「DX」「人工知能」「医療・バイオ」などの分野に集中投資するファンドです。
代表的なテーマ例
- 再生可能エネルギー関連
- 半導体・AI関連
- 高齢化社会関連(医療・介護)
米国株ETFでもテーマ型は人気ですが、日本株のテーマ型投信は「日本企業に特化したテーマ」という強みがあります。
6. 日本株投信を選ぶポイント
日本株投信を選ぶ際には、以下の基準を重視しましょう。
- 信託報酬の低さ
- 長期投資ではコスト差がリターン差に直結
- 配当・分配方針
- 再投資型か分配型かを確認
- 投資テーマや運用実績
- 自分の投資目的(成長狙い・安定収入狙い)に合うかどうか
7. 海外投資との比較:逆張りの妙味
海外株投資がブームとなっている今こそ、日本株投信は「逆張り戦略」として有効です。
- 海外株比率が高すぎるポートフォリオにバランスを与える
- 為替リスクを抑えられる
- インフレ・円安局面では、輸出関連株が恩恵を受ける
つまり、「海外株に偏りすぎている人にこそ日本株投信」という視点が重要です。
8. まとめ
日本株投信は「地味で魅力が薄い」というイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、以下のような強みを持っています。
- 高配当株を通じた安定収入
- 高ROE企業による成長ポテンシャル
- テーマ型投信での集中投資戦略
- 為替リスク低減と逆張りの妙味
これらを上手に活用することで、海外株一辺倒の投資戦略に「もう一つの軸」を加えることができます。
✅ 免責事項
本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品を推奨するものではありません。投資には元本割れリスクがありますので、必ずご自身の判断と責任で行ってください。