はじめに

前回は「リターン図」を学び、時間の節目ごとにチャートを読む方法を紹介しました。
今回はいよいよ多くの方が興味を持つテーマ――相性占星術です。

相性占星術には大きく分けて2つの方法があります。

  • シナストリー(Synastry):2人の出生図を重ね合わせる方法
  • コンポジット(Composite):2人の出生データから1つの「関係のチャート」を作る方法

この2つを理解することで、人間関係の力学や縁の質を占星術的に見ていくことが可能となります。


1. シナストリーとは?

定義

シナストリーとは、2人の出生チャートを重ねて相互作用を読む技法です。
恋愛・結婚・友情・ビジネスなど、あらゆる人間関係に応用されます。

読み方の基本

  1. 太陽・月・ASC同士の関係
  • 太陽と月が調和 → お互いの本質と感情が自然にかみ合う
  • ASCと太陽が調和 → 相手に「自分らしさ」を引き出される
  1. 金星・火星の関係
  • 恋愛的・情熱的な相性を見るうえで重要。
  • 金星と火星がトラインやコンジャンクション → 強い惹きつけ。
  1. 土星の影響
  • 責任・縁の持続性を表す。
  • 土星が相手の太陽・月に強いアスペクト → 長期的関わりや重み。
  1. オーバーレイ(ハウスの重なり)
  • 相手の惑星が自分のどのハウスに入るかを見る。
  • 例:相手の太陽が自分の7ハウス → パートナーシップ的影響。

2. コンポジットとは?

定義

コンポジットは、2人の出生データの中間点を取って作る「関係そのもののチャート」です。
シナストリーが「個人同士の関わり方」なのに対し、コンポジットは「関係自体の人格」を表すとも言えます。

作り方

  1. 2人の出生データを入力
  2. 各惑星の度数の中点を計算
  3. それをもとに1つのホロスコープを作成

読み方

  • 太陽の位置:関係の目的・方向性
  • 月の位置:関係の感情的な基盤
  • ASC・MC:関係の表向きの顔・社会的意義
  • 金星・火星:恋愛・情熱の質
  • 土星・冥王星:長期性や運命的な力学

3. シナストリーとコンポジットの違い

項目シナストリーコンポジット
読む対象2人の相互作用関係そのもの
強調される点個々の惑星の影響関係の全体的な性質
活用例出会った時の相性、相手が自分に与える印象長期的に関係を築いた時の雰囲気や課題

4. 実例イメージ(架空)

シナストリー例

Aさん:太陽 蟹座、月 牡牛座
Bさん:太陽 牡羊座、月 蟹座

  • Bさんの太陽(牡羊座)がAさんの月(牡牛座)にセクスタイル → 感情的に支え合える。
  • Aさんの金星とBさんの火星がトライン → 強い恋愛的引力。

コンポジット例

2人の太陽:獅子座に位置 → 関係は「創造性・楽しみ」がテーマ。
月:天秤座に位置 → 感情のバランスや協調を大事にする関係。


5. 学びのステップ

  1. 自分と身近な人の出生データでシナストリーを試す
  2. 相手の惑星が自分のどのハウスに入るかを見る
  3. 恋愛関係なら金星・火星、長期関係なら土星を重点的に確認
  4. 関係が深まってきたらコンポジットを作って「関係そのものの性質」を確認

まとめと感想

シナストリーは「あなたと私」、コンポジットは「私たちそのもの」。
この2つを組み合わせることで、占星術的な相性解釈はぐっと奥深くなります。

恋愛だけでなく、親子・兄弟・友人・ビジネスパートナーにも活用できるため、
人間関係を理解する道具としての占星術の魅力を実感できるはずです。


免責事項

本記事の内容は占星術の学習を目的とした情報であり、特定の未来や関係性を保証するものではありません。
人間関係における判断は、必ずご自身の責任で行ってください。